オリンピック随想 2

 日程半ばになり、ジャンル別に、成績の隔たりがはっきりしてきた。
 水泳は空前のメダル数を獲得し、それも特定の種目ではない。タイムの僅差を競い、順位上位に就くことは至難なことだが、限られた個人のみに期待するのでなく、アスリート群に広がりがでてきた。修練の蓄積が齎した成果なのだろう。北島康介が背負ったプレッシャーも囲りのアスリートに励ましを与え、団結を高める成果となった。
 柔道は、最早、日本のお家芸ではなく、柔道が世界に普及するとともに、必ずしも伝統に拘らないルールに変りつつある。体力の優劣も影響して、競技運びも様変わりしてきた。日本は、斯かる国際的な変化への対応の遅れがここ数年積み重なり、今日の結果を招いたのだ。これを指導者の責任と捉え、競技者の修練し直しにかからねばなるまい。それにしても、子供のころ、柔道を知るきっかけとなった、富田常雄の「姿三四郎」に出てくる柔道はかっこよかったなぁ。今日の試合でも、1本勝ちの投げ技などを観ると、これぞ柔道と感嘆するが、そんなことに拘っていては、勝つことが出来ないのだろう。