オリンピック随想 4

 オリンピックが終わった。戦後、ずっとオリンピックを観てきたが、今回ほど熱心に観たことはなかった。開会式から閉会まで、進行につれ、感動に引き込まれた。
 先ず、開催国イギリスの設営、進行の見事さだ。近代オリンピックの背景の歴史を辿る演出が、人種を超えた多数のボランティアによって演じられた。競技場は、ロンドン東部の再開発を兼ね、既存の施設を有効に利用して、整えられた。そこには、今日の世界にオリンピックが如何にあるべきかのメッセージが込められていた。
 参加競技者は、初のイスラム圏からの参加や、女子の参加種目増加などあって、これもオリンピックの精神に叶うものだった。
 競技の競り合いは益々激しく、体力と技術の限界に近いずいてゆくが、それはアスリート長年の研鑽とそれを支える存在があることもわかった。国の支援も必要不可欠だ。ナショナルトレーニングセンター(通称NEC)、国立スポーツ科学センター(JISS)などがもっと活用されるべきだ。
 観戦を通じて、アスリートの団結が数々示され、次世代のスポーツへの関心を高めたのは平和に向けての大きな収穫と云えよう。
 次回は初の南米ブラジルの開催になるが、今回のイギリスのオリンピック運営を踏まえて、更なる進展を期待したい。
 それにしても、時差はなんともならず、13日間の寝不足我慢は新記録になった。
      勝ち試合 夜明けてのちの 昼寝覚め