長生きは目出度いのか

 人間の寿命は伸びる一方、日本国内の百歳以上の老人は65692人で、過去46年連続で記録更新をしたと厚労省が公表した。政府は長寿表彰に銀杯を贈ってきたが、財政難で、今回から、純銀を銀メッキに変更したそうだ。女が87.6%、ここでも女性上位である。純銀をメッキにしてどのくらい予算倹約になるのか知らないが、ちょっと興ざめな気もする。政府の社会保障・人口問題研究所の推計では65歳以上の人口が総人口の3割を超えるのは8年後の2024年と予測されている。そのうち、高齢者が増えて、落語的に言えば、「年寄りが佃煮にできるほどになる」。高齢化は犬猫にも及んで、1990年比2014年で、犬平均寿命8.6歳が13.2歳、猫5.1歳が11.9歳になっているそうだ。犬に感想を聴いたら「ワン(何)とも思わない」と答えた。
 斯く言う小生も今年86歳、終活の段取りは遅々として進まず、取りあえずは息災で、爺、婆2人、周りに世話もかけず暮らしているが、さしたる充実感はない。
「明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」は親鸞の和歌だが、「明日の命はわからないが今を精一杯大事に生きて行きたい」と言うのが真意だそうだ。