平成24年の幕開き

 拙宅のある仙台は、今年、穏やかな空に日の出と共に新年を迎えた。三元日も同様に過ぎ、「こいつぁ春から縁起がいいワイ」と思った矢先、何人かの方から、「恒例の年賀状が来ないが、お変わりなきや?」と電話を頂戴した。小生は、毎春、旧年中の出来事にかけて作った滑稽句を幾つかご披露して、近況報告に代えていたのだが、昨年は、わが領域の滑稽句にはそぐわない大震災の発生で、年賀の趣向に悩み、その上、罹災した近隣の同胞への慮りから、空々しく「お目出度う御座います」などと挨拶する気にもなれない。そこで、寒中見舞いを申上げることにした。ところが、意外や、恒例の滑稽句年賀状をお待ちの向きがあるとみえ、「何か異変が起きたのではーー」と思い掛けなくご心配をかける結果となり、「なにしろあなたも老齢(とし)だからーー」とトドメを刺される始末。いや、有難いやら、ちょっと不甲斐ないやらの心境と相成った。
 で、寒中見舞いの冒頭には、「祈 一陽来復」としたため、ブログ開設のPRも怠りなく、滑稽句をお待ちの向きには「震災二句 ケイタイも死んだふりする春の地震(なえ) 空港を海港と化す春津波」  と書き添えて、ご期待に応えたつもり。