橋下徹とポピュリズム

 橋下大阪市長の登場、その政治手法を巡って俄かに「ポピュリズム」が云々されるようになった。
ポピュリズム」はギリシャの昔からあった政治手法で、「大衆迎合主義」とか「衆愚主義」とかの訳語があり、近世、現代の、ヒトラーのナチズム、プーチンの民意収攬などもポピュリズムの手法と観る向きもある。
橋下氏がポピュリズム政治といわれる所以は、維新の会の「船中八策」が示されて、その内容が政治の現状打破のため、国民の不満に数々の過激な提案をして、ショックを与えた結果だと云える。彼の提案は、具体的で、現状打破に効果が期待ができる項目もあるが、簡単に実現できるものは少ない。勿論、彼も、提案が俄かに実現できるとは思っていないだろう。先ずは、一発ショックを与えて、大向こうの注目を誘うと云うところか。彼は、大きく網を打って、一挙に中央進出を狙っていると云う観方もあるようだが、自分の職分は大阪都実現にあると明言して、そのためには、国家レベルの改革が必要だと主張しているのだと思う。
彼がポピュリズム政治を目指していると言われるのは、大阪市の教育制度改革でやや独断的な対策を採り、世論を二分する結果を生じたり、すべてに独断専行とみるむきもあるが、彼は「議論は尽くすが最後に決定をくだすのはリーダーだ」と云う。彼に反論する何人かとの論争も聴いたが、彼は論点の実情に通じていて、明確に反論するが、反対者は批判に留まり、具体的な反対提案ができないで、折伏されてしまう。
 「維新の会」は次の総選挙で、かなりの候補者を立て、中央に殴り込みをかけるだろう。そこで、我々が心掛けたいことは、候補者の見かけのよさに迷わされることなく、人柄、政治主張をよく観て、出来るだけ、若い世代を選びたい。その勢力が、中央の政治に現状打破の刺激を与えることに期待したい。