映画「アーティスト」を観ました

フランス映画がアカデミー賞5部門もとったと言うので、どうして?と言う関心もあったが、観終わって、成る程と納得がいった。
 先ず、カラーフィルムで白黒映画を撮ったこと。画面はソフトで陰影の効果をあげ、しかもサイレントで、演技の効果を挙げている。筋書きは新しいものが旧いものに取って代わると言うシンプルなものだが、哀歓と甘美を充分に訴えかける。
 主演のジャン・デュジャルダンクラーク・ゲーブルを思わせる俳優。脇役のジョン・グッドマン、ジェームス・クロムウェルなどもよいし、犬のアギーまでがカンヌ映画祭でパルムドック賞を獲った名演技をみせる。
 監督のミシェル・アザナヴィシウスはモノクロサイレント映画に並々ならぬ見識をもち、研究を重ねた成果を生み出したわけだが、アメリカ映画界は虚を突かれた態のこの映画をアカデミー賞に選んだわけだが、その見識にも拍手をおくりたい。
 古きよき時代のロマンチックに浸れる愉しいいっときだった。