災害の未然防止にマスコミはもっと力を注げ

高速道で起きた「バス事故」で、その背景が次々あからさまになっている。規制緩和で長距離バスの運行に新規参入が増えた結果、競争が激化、コスト削減で人件費にしわ寄せが起こり、大惨事を招いた。通学路で相次いで起こる交通事故も、ガードレールの設置や、車両の通行規制など、手を打っていれば、防げる可能性が増す。
 マスコミは、事故が起こってから、背後の業界事情の掘り起こしに躍起だが、これが、事故発生前に伝えられていれば、行政も業界も対策を講じ、事故は防げていたのではないか。身の回りをみわたせば、人命に関わる危険は随所にある。
 先日、朝日新聞の紙面で、「全国で橋梁の劣化が進んでおり、早急な修復が必要」と指摘していた。これも人命に関わる危険な課題である。マスコミは、事故の可能性がある危険な実態に絶えず目を配り、キャンペーンをはって、世論を喚起すべき役割を果たしてほしい。未然に警鐘を鳴らす事こそが、事故が起こってから責任を追求するより、重要な役割ではないだろうか。ストーカー犯罪でも、事件が起こらなければ行動を起さない警察などももっと追求されるべきだ。