「民意」とは。 政治家の行動への期待とは。

 政治家がよく口にする「民意の吸い上げ」とはどういうことか。最近の事例では、「原発再稼動に対する全国に広がる民衆のデモ」、「オスプレイ導入に反対する大衆行動」、これに対する政治の対応は納得ゆかない。
 原発再稼動に踏み切った政府の判断は、一見、政治的決断のようにはとれるが、あやふやな安全確認のみをを前提に経済効果優先の結論といわざるをえない。核エネルギー利用そのものを否定する反対運動をどう認識しているのだろうか。
 オスプレイ導入に対する政府見解は、日米安保の取り決めで、拒否できないという。しかし、全国に広がる反対運動をどうとらえているのだろうか。防衛相は「抑止力に不可欠」というが、これほどの反対運動をさえぎっても
現時点で配置を強行すべき緊急性があるのだろうか。反対運動がエスカレートして、安保体制全体を拒否る事態になったら、それこそ、安全保障そのものを揺るがす結果につながる。政府は日米の取り決めを乗り越えて、アメリカにオスプレイ配置の保留を申し入れるべき事態だ。その決断こそ政治の出番と考える。 斯かる事態に交渉の決断ができない政治の担当者は要らない。