決して正しくは無い多数派採決ー 12月26日朝日新聞「声」欄の記事

投書した57歳の竹内千恵子さんは「多くの人の意見だからといってそれが正しいとは限らない。」「今回の衆院選の結果、自民、公明の両党で、定数の3分の2を超える議席を得た。自公の政策は、数の力で国会を通すことができる。ただすべての政策を国民が支持しているわけではない。特に憲法改正は、多くの議員の意見だからといって、それが正しいとは限らない。多数の中で、自分の判断力や理性的な思考力を持ち続けなければ戦争だって起こりかねない。」と述べている。正しくそのとうりだ。
 日常、我々は、マスコミの報道や世論調査の結果に知らず知らずの中影響を受け、多数派の意見に流されがちだ。流れに逆らい泳ぐには力と勇気がいる。戦前、主戦派の世論に逆らい、和平を唱えることは、命に関わる難事だった。勇ましい主戦派に煽られて戦争に突入した結果は国の内外に無残な犠牲を齎した。
 原子力利用は、置かれた立場立場で、賛否は二分され、どちらの主張にも一長一短で、賛否は多数決で決めることは出来ない。「核」は優れたエネルギーだが、終末処理のコントロール不能な側面が解決できない限り、利用すべきではない。この前提にもとずけば、既存の投資や関係者の救済に充分な補償の手当てを払っても、核利用は断念するべきではないか。
 「声」欄の投書には、時として傾倒に値する内容があり、上に紹介した投書も其の一例である。行政の施策に対しての提案などにも納得のゆくものが多いが、お役所は、関心持って読んでいるのだろうか?