2020年のオリンピックは何処がいいか

 7年先のオリンピック招致の広報活動が解禁された。イスタンブールマドリード、東京が名乗りを挙げて、9月7日のIOC総会で決まる。東京は豊富な準備金、安全確実な運営などを強調して、昨年のオリンピック入賞者などまでも動員して、伸び悩む市民の支持率アップにアップアップしている。
 ライバルのマドリードは窮乏するスペイン財政からの立ち直りに懸命で五輪招致どころの雰囲気ではない。それでも市民の支持は76.5%で東京都民の65%を上回る。トルコのイスタンブールは93.7%と圧倒的な支持を示す。一時の財政危機を乗り越え、ここの所、経済の成長も順調に推移している。そして何よりの「売り」は、イスラム圏初、しかも開催地が洋の東西の架け橋であるイスタンブールと誰しも納得のいく条件が揃っている。IOC委員は「初めて」という大義名分に傾く傾向があるそうだが、日本の売り込みは、今ひとつ説得力に欠けている。
 東京誘致は、石原前都知事が音頭をとり、スタートしたのを、後任の猪瀬知事が引き継いだ訳だが、これから肝心の都民や国民の支持をアップする成算はあるのだろうか?その他、開催獲得に関わる人達も、本心から誘致に賛成な人ばかりではないのではあるまいか。どうも大勢順応の匂いがしてならない。
 私は、地球市民として、イスタンブール開催を諸手を上げて支持したい。わが国が真に成熟したというのなら、此処は一番、開催の意思を翻して、イスタンブール支持に回ったらどうだろう。若しそうなれば、全世界賞賛の的になり、オリンピック開催に勝る「国の成熟度」を認められると思うが如何?