1月16日、地獄の釜の蓋が開く?

 地獄の釜の蓋が開くと何が飛び出すのかと思ったら、小生の思い違いで、この日は、地獄の鬼も一服して、お休みの由。道理で、政界もさしたる動きのニュースがなかった。
 先に、細川護煕氏が小泉純一郎氏の支援を受けて都知事選に立候補すると名乗りを挙げた。自民党内は寝耳に水の様相で右往左往。小泉氏が、原発反対の狼煙を挙げ、安倍自民党に迫ったのになんらの反応も示さないので、以前より原発反対を表明している細川氏と会い、意見一致、小泉氏は、細川氏都知事選に担いで、自民党を揺さぶる策に打って出た。
 自民党は、原発論議は地方選挙の争点に相応しくないと逃げ腰だが、東京都は東京電力最大手の消費地で、東電の大株主、原発問題に介入しても筋違いとは云えない。原発全面廃止には、具体策を示さねばならないし、其の過程で、利用者側にかなり負担増を強いることにもなるだろう。特に産業には深刻な影響が及ぶだろう。しかし、我々は、日常あまりに電気に依存しすぎている実態も再検討する必要がある。原発は終末処理ができないということからエネルギーとして致命的な欠陥と断ずる。議論はこの前提から展開すべきだ。
 細川氏は、その他、東京都の当面する、オリンピックの開催、インフラの再建、築地市場の移転、等々についても、その所信を率直に示し、他の候補者と論議を期待したい。
 細川氏は、当落にこだわらず、原発阻止に邁進の決意と言う。正に、唐詩選「述懐」の「投筆事戎軒(天下を争う戦いに、筆を投げ捨てて乗り出す)」心境なのだろう。「人生感意気(人生意気に感ず)」「功名誰復論(功名誰か復た論ぜんや)」なのである。