選挙をさぼった東京都民に喝!

 45年ぶりの大雪に見舞われた東京は、翌日、知事選挙投票日を迎えた。悪天候と選挙は相性が悪い。それにしても、46%の投票率は低過ぎる。以下はその分析数字。
 当選の舛添氏得票210万。対抗馬、宇都宮・細川両氏の合算190万。田母神氏61万。小泉元首相が挙げた原発0を支持した190万は、当面原発容認の舛添氏の票と20万の差と言うが、本当の都民の意は不投票の53%の内訳数を見なければ結論は出ない。田母神氏61万票は、予想を上回る数で、他候補と比べ若年層に多く支持されたようだ。得票を気にせず、自分の主張を率直に訴えたのが票に繋がったと見られる。与党は、消去法で候補者に舛添氏を担いだが、組織票に加え、天も味方し、もくろみどうりの結果になった。
 さて、今後の展開はどうなるか。与党は、即時原発0の狼煙が不発に終わったのに胸を撫で下ろし、原発再開に向かって、東京電力と組んで、積極的に動くだろう。財界、産業界は諸手を挙げて歓迎するだろう。当面、舛添新知事は与党の意向に逆らう事なく、得意の福祉政策に力点をおくだろう。オリンピック対策で、政府の注文がのしかかってくるのにどう対応するか。2代にわたる前任知事不始末の処理もある。今回は、原発0の1点集中で、自民党に一泡吹かせることには失敗した小泉氏は、如何にして捲土重來を図るか。
 今年は、原発立地の知事選挙が数県ある。原発可否の論議は、更に激しく再燃するだろう。
 次の国会議員の選挙を待つ事無く、国レベルの懸案を地方選挙の場で論議して、国民の意思表示をしないと、安倍政権の行方は不安を増してきた。
 その口火の格好のチャンスを、東京都民の不投票者が潰してしまった。外野席の小生には残念無念な想いで一杯だ。
 原発は、如何に安全に設置しても、終末処理の出来ないエネルギーである。未処理のカスは、次世代以降に計り知れないツケを残す。この1点だけですっぱりと0と決めないと、ずるずると何世代に亘って麻薬の如く人類を蝕むだろう。