ソチ冬季オリンピック 私感

上村愛子選手の充実感
5度目のオリンピックを34歳で迎えた彼女は本人の自己採点では満点のプレイにもかかわらず、4位の判定で、悲願のメダルに届かなかったが、競技終了後の彼女の微笑は、心からの満足感を現していた。3位との点差は、タイム、エア、スピードの採点配分による僅かな点差による。全体の演技は3位より上村の方がよかったとする向きもあるが、上村本人が最高の出来と納得しているのだから、メダルにこだわらず得た満足感は爽やかな印象を感じる。
竹内智香の工夫と努力
スノーボードパラレル大回転で「銀」を得た30歳の竹内選手は4度目のオリンピック。2007年からスイスに留学し、自分に合ったボードを自ら開発した。年齢とともにおちる体力を極力消耗しないような努力も欠かさない。こうした選手が世界ランク2位にもかかわらず、マスコミはノーマークだったのも幸いしたのだろう。
浅田真央の不運
今回を最後のオリンピックと思い定め、マスコミに囃されて臨んだフィギュアーのショートプログラムは、大方の期待の重圧に耐えられず、意外な結果になった。恐らく亡き母への想いもあったろう。実力充分な彼女への期待は無理もないが、もう少し、そっとしておく気遣いが欲しかったと思う。ライバルのキムヨナ(金妍児)は、前回のオリンピックの後、活動を休み、オリンピックへ向けての準備もあまり報じられなかった。彼女にはマイナスのイメージがあり、好・不調の実態も明らかでなかった。ソチでも選手村に入らず、マンションを借りて滞在している由。極力行動を晒さず、マスコミに付き纏われる煩わしさを避けている。そしてフィギュアーSPでは、トップに躍り出た。彼女の自主的行動か、黒田官兵衛のような策師がいるのか分からないが、真央とはあまりに対照的な行動だ。
オリンピックで勝つためには
暮夜密かに一剣を磨き、孤独に耐え、外野の纏わり付きを排除して、集中力を養うことが求められる。