日本人の文化風土を守ろう

日本にも「カジノゾーン」を作ろうという動きがある。世界的カジノ運営企業の試算によれば、400億ドル(4兆1000億円)の市場になるという御託宣だ。アメリカ(600億ドル)、マカオ(510億ドル)に次ぐ規模だそうな。日本国内に数か所、カジノやホテル、会議場を設け、統合高級リゾート施設を招致する。狙いは海外からの金持ち。カジノのあがりは政府の懐を肥やす。ラスベガスの施設では、売上の約8割はカジノ以外で、健全な施設だと、MGMリゾートインターナショナル(米ラスベガス)の最高経営責任者ジェームス・ミューレン氏はいう。しかし、金持ちからまき上げた賭博のうわまえを撥ね、財政の資源にするという手口はどうも引っかかる。 安倍政権は成長戦略の目玉として、秋の国会で関連法案を審議するそうだから、本気で考えているのだろう。
 だがまてよ、治安の悪化やギャンブル依存症増加の懸念はもとより、国が博奕の上前を撥ねる事で、経済の成長を図るというのは、いかがなものか、日本古来の文化風土には相応しくない。
 此処まで考えて改めてあたりを見回すと、儲かればいい”ダボハゼ現象"はまだある。武器輸出制限緩和、原子力発電の輸出、等々。片や、世界の客観情勢が変わったと、平和憲法の根幹も変えようという。
 長年かけて培われた民族の美徳理念を、軽々に捨て去っていいものだろうか。