選挙棄権者に罰金刑!

「そんな馬鹿な!」いや、ベルギー、ルクセンブルグ、スイスの一部の州、オーストラリアなどで、現実に施行されているのだ。これは、12月25日の朝日新聞経済気象台で紹介されている。罰金どころか立候補の権利剥奪、選挙人名簿から抹消、入獄してもらおう、という国まである。事ほど左様に棄権に手を焼いている国が多いと知って、些か驚いた。これ等の国の事情はそれぞれ一様ではないのだろうが、政治不信が底流にあるのは間違いあるまい。しかし、これまでして、投票率を上げるやり方には違和感を禁じ得ない。例え、投票率があがったとしても、民主主義が浸透することにはなるまい。
 国民の多数が政治に関心を持ち、政治がそれに応える状況にならなければ、「民主主義」は完結しない。我が国を含めて棄権率の高い国は、当面、生活を脅かすような切羽詰まった現状でない”しあわせ”にあぐらをかいているのだろう。選挙権年齢を下げて若者層にしっかり啓発をおこない、一部の権利社会に政治が偏るようなことのない気配りを積み上げてゆく不断の努力こそ、唯一最大の棄権防止策ではないだろうか。