悲劇多発の根源〜差別と格差

 EU諸国で次々起こるテロの犠牲は連鎖、拡大の様相で、我々の周辺は大丈夫かと不安に駆られる。宗教の対立、言論の自由、自国民と移民との摩擦、右翼勢力の台頭、など、原因は様々だが、共通して観られるのは、民族相互の差別観、経済的格差の不満である。特に、キリスト教イスラム教の確執は何百年もの間、抗争の火種となって、欧州を苦しめてきた。第二次大戦後、EUの実現で、克服されたかに見えたが、経済成長の間に生じた格差の不満が民族の差別と結びついて、若者のエネルギーのはけ口ともなり、それを過激テロの組織が抱え込むという混沌にある。欧州で何世紀もの間争いの火種だった国境の争いはEUの実現で概ね解消したというのにー。
 
 ここまで考えるうち、日中、日韓の領有権問題に解決のヒントが浮かんだ。大体、どんな動物でも、縄張り維持の本能がある。しかし、本来はそんな意識なしに往来していたに違いない。そのうち、利害対立が生ずると、我が国では「入会権」などという「共同利用の制度」などで問題を解決した。さて、今、日中、日韓でお互い領有権で譲らない地域を共同利用し、領有権を棚上げするというのはどうだろう。該当区域は利害のからまない第三国を国連で指名し、「国連の信託統治」にする。これは、勿論、小生の素人考えだが、ヨーロッパにも、「アジール」「ローカルコモンズ」など入会権に似た制度があるという。専門家のご意見などを伺いたい。