疎開?何時か何処かで聞いたこと

日本創成会議が高齢者の地方移住を提言した。首都圏の介護施設と人材不足が深刻になるからというのが理由らしい。戦時中、「学童疎開」というのがあった。焼夷弾爆撃の火災延焼防止のため「家屋の強制疎開」というのもあった。何れも不快な記憶が残る。
 高齢者の地方移住の対象年齢層は学童疎開の経験年齢層と重なる。私は生まれも育ちも東京だが、生来、都会生活が肌に合わず、宮仕えを終えてから仙台に定着して20年になるのだが、高齢者の地方移住には多面的な施策と長い年数が要ると思う。老年層の移住希望はまだまだ少数だし、若者の地方移住同様、魅力ある受け皿を創ることが肝要だ。老後の多様な生活設計を満足させるには、受け皿の地域特性を生かし、キメ細かな環境設定がなければスムーズに受け入れられないだろう。日本創成会議の提案には果たしてどこまでの深謀遠慮があるのだろうか。