高校野球とプロ野球の意識の落差

 今夏の甲子園高校野球の後半は好試合が多く、感動の連続であった。決勝戦東海大相模の小笠原投手と仙台育英の佐藤投手の投げ合いは佐藤投手の疲労からか、調子は今一つだったが、味方野手の奮闘でスコアを同点に戻し、逆転に望みを繋いだ。最終回、相手エース投手にホームランを打たれ、「東北に初めての優勝」は逃したが、互角争いの試合運びは全国のフアンを感動させ、試合後の、佐々木監督、選手の爽やかな振る舞いにも惜しみない拍手が送られた。選手の一部はプロへの道を選ぶだろうが、野球のために私立高校に進学させてくれた家庭への恩返しに就職して消防手になるという選手の話を聞いて、これにも感服した。佐藤投手は、今開催中の「U18世界選手権」第2戦で米チームに完封で勝利した。美事な実力をみせた。
 一方、プロ野球だが、パリーグは、上位と下位の差が激しく、特に楽天は回復の見込みたたず、監督は今期限りで辞任の意向。しかし、責任は監督一人のせいではあるまい。仙台コポスタジオは連日満員盛況で球場の売り上げは全国一という。然し、球場運営は好調でも球団成績がビリでは、収益に貢献するスタンドの観客はいい面の皮だ。今シーズンは5位以上は望めまいが、恐らく来年は観客動員は減り、フアンの関心もやや離れよう。楽天の緊急課題は、商売はさておき、球団の組織を洗い直し、選手、フロントの意識を引き締め、先ずは勝ちへのこだわりを強く持つことだ。今季残り試合には高校野球のようなひたむきなプレイを望みたい。、