「一億総活躍」ってなんだ?

 無投票で自民党総裁に再選され、内閣改造をした安倍総理は、「一億総活躍担当大臣」というポストを創り、進軍ラッパを吹き鳴らしている。すぐ思いついたのは、昭和13年近衛内閣が制定した「国家総動員法」の忌まわしい記憶だ。当面抱える「安保諸法」への国民の理解、TPP受け入れ難問の国内でのクリア、北朝鮮での拉致の打開、沖縄の辺野古移設と、難題ばかりが未解決で残っている。来年の参議院選挙に備えて、失点は避けたい思惑から、党内の不穏分子を閣内に閉じ込め、またまた、甘い囁きも付け加えた。GDP600兆円を2020年に達成するという、実現に責任の持てない、こんな甘言に乗って、「総活躍」に踊らされるような阿呆はいないだろうが、我々はどう対処すべきかを考えてみた。
先ず、「安保諸法」には、先の国会論議で、かなり事細かな縛りはかけたが、今後の政府の挙動には細心の監視が必要だ。政府の憲法無視に反対の意思表示は途切れなく続けてアピールを喚起する。そして、来年の参議院選では、選挙行動で与党の過半数をなんとしても阻止する。ただ現政権の息の根を止めても後の政権を担う候補のめどがつかないのは困ったことだ。政権担当能力自民党にしか期待できない現状で、多面にわたる人材を束ねることのできる後釜は出てくるのだろうか。