今日の大岡裁きに喝采をおくる

認知症の老人が徘徊中に列車にはねられて死亡し、JR東海から損害賠償を求められての訴訟で、最高裁から「遺族に賠償責任はない」との判決があった。2007年に起きた事故に関わる訴訟で、長い間遺族の神経はいかほどすり減ったことかと察するに余りあるが、最高裁の判決は、法律の杓子定規を超えての判断として、異議を抱くむきはあるまい。日本の高齢者は2015年65歳以上3384万人、総人口比26.7%、日本総人口の少子高齢化はスピードで世界一、認知症者は2012年460万人、2020年には700万人との予測もあるそうだ。
今回のような賠償問題の解決策のみならず、介護のありよう、医療の対応など、緊急を要する施策が目白押しだ。家庭での介護には地域をあげての支援、国の政策としての最優先課題とするくらいのアクションを切に熱望する。